タグ: 読書記録

  • #39 最近読んだ本 ― 『社会は、静かにあなたを「呪う」』

    #39 最近読んだ本 ― 『社会は、静かにあなたを「呪う」』

    テレビ、YouTube、SNS、そして身の回りの人の話。
    私たちは毎日、無数の情報にさらされている。
    その中で、知らないうちに「これが正しい」と思い込んでしまうことがある。

    「人は、別ルートから同じ話を3回聞くと、事実だと信じ込んでしまう」という心理。

    つまり、最初は信じていなかったのにテレビやネット、会話などで何度も同じ意見を耳にすると、
    それが真実かどうかに関係なく「そういうものなんだ」と思ってしまうのだ。

    怖いのは、それが嘘や偏見だったとしても、
    少しずつ自分の中に“呪い”のように刷り込まれていくこと。

    だからこそ、
    情報を「摂取する」時も、食べ物と同じように気をつけたほうがいい。
    健康のために食事を選ぶように、人生の健康のために“情報の質”を選ぶ。

    この本も、現時点では客観的に事実をもとに語られているが、
    時が経てばその内容さえも“新しい呪い”になるかもしれない。

    結局、私たちができるのは、
    信頼できる情報源を見極め、自分の頭で考えること。

    まずは、今の自分がどんな呪いにとらわれているのかに気づき、どう対策したらいいのかをこの本を読んで知ることから始めてみてはどうだろう。

    気になる方は、ぜひ手に取って読んでみてほしい。

  • #37 最近読んだ本 ― 『人はなぜ物を欲しがるのか:私たちを支配する「所有」という概念』

    #37 最近読んだ本 ― 『人はなぜ物を欲しがるのか:私たちを支配する「所有」という概念』

    図書館、大好き。📚

    読書は好きだけど、毎回本を買うのもお金がかかるし、基本的に読み返さない。
    だから「本をシェアしてくれる」図書館って、本当にありがたい存在。
    しかも、置いてない本でも他の図書館から取り寄せてくれるなんて…
    なんて幸せな環境。ありがとう日本!!

    そんなこんなで、ふと目に留まった一冊。
    『人はなぜ物を欲しがるのか:私たちを支配する「所有」という概念』

    人間社会で「所有」と無関係な人なんていない。
    しかも、ちょうど今の自分は“生き方もモノも断捨離”して
    頭の中や暮らしをシンプルにしていこうと模索していたところだったから、
    もうタイトルだけで惹かれた。

    読み終えて感じたのは、
    「人間って、本能的に“所有したい”生き物なんだなぁ」ということ。
    人間の中の一人である私も、“人間というもの”をまたひとつ理解できた気がした。

    理解したうえでどう自分コントロールし行動していくか見直せた一冊でした。


    💡ちょっとした余談

    これから読む人に、ひとつ共有しておきたいことがある。

    この本、本題が始まるのはなんと第5章から。
    全体のおよそ2/3まで前情報である。
    最初の1~4章は、哲学的な背景や研究内容、歴史的な話が中心で、
    「ふむふむ……で、いつ出てくるの?」ってなるかもしれない。笑

    だから、最初は思い切って第5章から読んでみて、
    「◯章で説明したように~」という箇所が出てきたらその時に戻る、
    そんな“行ったり来たり読み”もおすすめです。


    📘 いろんな視点で楽しめた一冊でした。
    興味がある人は、ぜひ手に取ってみてください。

    以上、ほどぼのでした。

  • #31 最近読んだ本 ― 『短編工場 (集英社文庫)』

    #31 最近読んだ本 ― 『短編工場 (集英社文庫)』

    読解力や共感性を上げるために、小説を定期的に読むようにしている。

    ちなみにブログは、自分の気持ちを言葉にする練習として書いている。

    今回は、さまざまな作者の短編作を集めた『短編工場』を読んだ。

    その中で一番心に響いたのが、奥田英朗さんの『ここが青山』。

    ワクワクやハラハラはまったくない。

    読み進めながら「もしかしたら鬱展開になってしんどい気持ちにさせるのでは?」
    「いや、逆にハッピーエンドを迎える?」
    「それとも非現実的な展開?」
    といろいろ想像していたが、なんてことのない話だった。

    刺激的なストーリーの小説が多い中で、こんなほっこりした気持ちにさせてくれる本は、逆に貴重かもしれない。

    現代社会では当たり前ではないけれど、こんなふうにほのぼのとした気持ちで暮らしている人もいるのかもしれないな~と思わせられた。

    それにちょっとした、心の声を書いてクスッと笑わしてくれる。

    日々の刺激的なニュースや、目まぐるしい変化を感じる環境に疲れていた自分にとっては、心が浄化される内容だった。

    次は、奥田英朗さんの『家日和』を読んでみようと思う。