#84 「それ、本当に自分の意見?」周りの意見を気にしなくなった話

昔は、周りの人の意見をかなり気にしていた。

「こうしたほうがいいんじゃない?」 「普通はこうするよ」 「それはやめたほうがいいんじゃない?」

そんなふうに言われると、自分の考えよりも相手の意見のほうが正しい気がしていた。

たぶん、自分の考えを否定されることが何度かあって、「自分の意見って、あまり正しくないのかな」と思うようになっていたんだと思う。

だから何かを決めるときも、人の意見を優先して決めることが多かった。

自分ではこうしたいと思っていても、誰かに「それよりこっちのほうがいいんじゃない?」と言われると、

「そうなのかな」

と、そちらに気持ちが傾いてしまう。

でも、あるときから少し考え方が変わった。

人からもらう意見って、必ずしも「自分のための正しい答え」ではないんだな、と気づいた。

その人にとっては、その意見を言うことでメリットがあるのかもしれない。

自分を思い通りに動かしたいのかもしれない。

もちろん、本当に自分のことを考えて言ってくれている場合もある。

でも、どんなにもっともらしい意見でも、それを言っている人の立場や都合がまったく入っていないとは限らない。

そう考えるようになってから、人の意見をそのまま「正解」として受け取らなくなった。

「そういう考え方もあるんだな」

くらいに、一度自分の中に置いて考えるようになった。

すると、自分がどうしたいのかも少しずつ分かるようになった。

昔は「周りの意見を聞くこと」が大切だと思っていたけど、今は「自分の気持ちを確認すること」のほうが大事だと思っている。

もちろん、今でも気になることはある。

特に、自分の仕事ぶりがマイナス評価されていないか、というのは気になる。

仕事は自分だけのことではないし、周りにも影響するので、そこはどうしても気になる。

でも、それ以外のことについては、以前ほど人の目を気にしなくなった。

もし昔の自分に会えるなら、

「人に相談しなくても、割と自分の気持ちや考えって正しいよ」

「自分がこうしたいと思ったなら、思う通りにやってみてもいいよ」

と言いたい。

もちろん、失敗することもある。

でも、失敗したらちゃんと謝ればいいし、次に活かせばいい。

離れる人がいてもいい。

自分の気持ちに賛同してくれない人と無理に分かり合おうとすると、ぶつかり合って前に進めなくなることもある。

どちらかが悪いわけではなく、ただ考え方が違うだけ。

そんなときは、お互いのために離れることも大切なんだと思う。

やってみたからこそ分かることもある。

そう考えると、失敗も含めて、どの経験もそれなりに身になる。

昔は、間違えないために周りの意見を気にしていた。

今は、多少間違えても、自分で経験してみたほうが分かることもあると思っている。

周りの意見を聞かなくなったわけではない。

ただ、「誰かがそう言ったから」という理由だけで、自分の気持ちを変えなくなった。