仕事の世界は、正しいか間違いかだけじゃない。正しくても黙るしかない“グレー”が、確かに存在する。
新社会人になってから、「正しいことをすべて正しいと発言すること」が人間社会では受け入れられないと知った。
正論を言えば、面倒に感じられ、都合が悪がられ、言った本人は避けられる。社内で“腫れ物”扱いされ、敬遠されることすらある。
しかも、自分が正しいと思っていても、他人から見れば正しくないこともある。
こういった経験を経てようやく、
「思うことがあっても、相談されるまでは黙っている」
という言葉の意味が、身にしみてわかってきた。
もちろん、右も左も分からない新人のうちは別だ。
でも一人ひとりには、それぞれの立場や経験があって、みんなそれなりにやっている。
そんな中、口出しをすれば関係が悪くなり、自分の立場も悪くなる。
たとえ「大丈夫かな?」と思うことがあっても、
・失敗するかもしれない
・上手くいくかもしれない
・何ごともなくスムーズに進むかもしれない
結果なんてやってみなければ分からない。
それに、親密でもない、たまたま同じ会社にいるだけの「他人」に対して、必要以上に力を注ぐ必要はない。
「会社のために」と思うのも、ある意味“思い上がり”かもしれない。法的に抵触することは別だが。
どうしても他人が気になるのは、自分自身の問題だ。
その気持ちを深掘りして考え方を変えるか、どうしても無理なら距離をとるなど行動するべきだ。
他人をどうにかしようとしても変えられないけれど、自分のあり方は選べる。